羊のまいにちしあわせになる方法100

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短い命を抱きしめてーThis is My Life With Ashley, A Girl Living Up With Progeria By Lori Hegi

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少し前に、プロジェリアという病気のカナダの女の子、

アシュリーちゃんを紹介する番組を偶然みました。

 

私はまったく知らなかったのですが、

日本では2003年にはじめて紹介されて、多くの人が

プロジェリアという病気を知るきっかけになったそうです。

 

プロジェリアという病気は、

全身の老化が異常に早く進行する病気で、平均13年くらいしか

生きられないと言われています。

突然変異の染色体異常が原因と考えられています。

 

 

番組を見ていたときは、アシュリーちゃんの、生死を超越したかのような

何か悟りを感じさせる明るい笑顔に驚き、信じられない気持ちだったのですが、

 

それ以上に、お母さんの受容、またシングルマザーだった

彼女の結婚相手の方の寛容さも強く印象に

残りました。

 

この本は、アシュリーちゃんのお母さん、ロリーヘギさんの自伝です。

 

「きっと”もともと”心が広く、”もともと”強い女性なんだ」

と思っていたのですが、読んでみたら、まったく違い、

 

若い頃は、家出を繰り返し、ドラッグ中毒、

17歳でアシュリーちゃんを生んだあとは、シングルマザーとなり、

その後も恋人と、ヘビードラッグにはまって、

人生落ちるところまで落ちてしまった、

 

弱さゆえの間違いをずいぶん犯してしまった、

 

そんな女性でした。

 

プロジェリアという難病を持ったこどものお母さんの自伝、

というより、

最後の最後で、人の力を超えた救いを得た人の、

信仰の告白なんだ、と思いました。

 

アシュリーちゃんの寿命を知っているからこそ、

ずっと心にあった石のように重たい思い。

 

それは人生を人より早いスピードで生きなくてはならない彼女が、

人より早く迎えなくてはならない死。

 

でも信仰によって

ロリーさんは死が終わりではないことを知ります。

 

肉体は滅びても魂や精神は永遠に死なない

          

ロリーさんは言います。

 

「彼らが私たちと違うことはなんでしょう。

それは目の前にある死を受け入れていることではないかと思うのです。

かたや、私たちは、死をずっと先のことだととらえ、

自分をごまかして生きているのではないかと。」

 

もうひとつ。

 

彼女を最悪の状態から抜け出すのを手伝ってくれた人たちの

行動には驚かされます。

1人は、それまで会ったこともない人だったのです!

 

人の強さや運命に対峙する強さを感じるのでは、と思って

読み始めたのですが、

読後は信仰について深く再考させられる本でした。

 

ロリーさんに、

自分の気持ちを伝えられたらいいなと思います。

過去を、褒められたものではない過去を

明らかにするのは勇気がいったと思います。