羊のまいにちしあわせになる方法100

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シェーカー教徒を知るための美しい本”シェーカー、生活と仕事のデザイン” ジューン・スプリッグ

 

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30年近く前に出版された古典的な本ですが、シェーカーのことを知るには、まずこの本ではないでしょうか。シェーカー教徒の歴史、日々の生活、道具、祈りの精神、それらが息を飲むくらい美しい写真で紹介されています。著者はシェーカーと共に生活をしたことがあるジューン・スプリッグ女史、翻訳は日本でシェーカー家具をはじめてつくった知る人ぞしる藤門弘さんです。

 

シェーカー教団とは、19世紀、アメリカにおいて広まった宗教的共同体。1840年頃には、約6000人もの信徒が生活を共にしていました。有名なシェーカーの椅子にはじまり、簡素で美しく実用的な工芸作品は今でも世界中の人を惹きつけています。

 

ケンタッキー州に住んでいたとき、州内といっても遠かったけれど、プレザント・ヒルという場所にあるシェーカーヴィレッジに行ったことがあります。その整然とした区画の建物、内部、数々の家具、そしてシェーカーが心から好き、というのがわかるボランティアのガイドがあちこちにいて、心休まる場所でした。その上、現在は1人もいないシェーカー教徒の魂がまだそこにあるような気がして、私は戻ってからも1週間くらいうなされました。感動してうなされたのです。ずっとシェーカーシェーカーと言っていたので、夫は「シェーカーの魂が乗り移ったんじゃないか?」というほどでした。

 

ケンタッキー州プレザントヒルのシェーカービレッジ

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シンメトリーの窓が美しい

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なんでもかけてしまうペグボード。床にものをおかない=清潔

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年月がたたないとこの木の色はなかなかでないですね

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日本の日常にまみれてしばらく遠ざかっていたシェーカーの暮らしですが、この本を読んで、またものすごい熱が蘇ってきました。

 

シェーカーに惹かれるのは

 

#シェーカーは電気、電話、写真などすすんで技術文明を取り入れた

#重たい家具には車輪をつけて移動できるようにし掃除しやすくした

#「規則正しいことは美しい」シンメトリーの美しさ、色の統一。

#「天国に塵はない」創設者アン・リーの言葉

#ビルトイン家具が好まれた(すっきり)

#「ものは決まった場所におくように」個人所有でなく共用の生活に必要な秩序だった

#「美は有用性に宿る」

#「言葉と仕事は簡素であること」

 

そしてこの本を読んで知ったのですが、「シェーカーは死というものにも生と同様、統一性と簡素さをもたせた。」

 

シェーカーの墓は墓石や、墓碑、花入れなどがなく、墓標には信者の名前、死んだ日と年齢で十分と考えられていたそうです。

 

のちにはさらに簡略化。

 

共同体の本質を象徴するために、個々の墓石をひとつの大きな記念碑に取り替え、そこに「Shakers 」とだけ記したそうです。Shakerとして生きたことがその人の本質だったということなんですね。それでよしとできる人生なんていさぎよい。

この世はシェーカーとして生きて十分。そして天国では永遠にシェーカーとして。

 

いつか今度はマサチューセッツニューハンプシャーのシェーカービレッジも訪れてみたいです。