どんな場所でも野菜やハーブ、スクエアフットガーデン
まだ未完成ながら、自分たちで作った家に引っ越し、雨風しのいでなんとか住めているので、ずっとやりたかった「スクエアフットガーデン」をはじめてみた。スクエアフットガーデンとは、メル・バーソロミューさんという米国人のおじさまが考案した。
都会の小さな区画でも、誰でも簡単に野菜作りができる手法で、1981年、"Square Foot Gardening"という本を出版。大人気になったそうだ。
メルさんは、もともとエンジニアで、週末野菜作りを楽しんでいたのだが、リタイアしたのを機に本格的に、野菜作りをはじめ、そして、この手法を編み出していった。
基本は、4feet(120cm)×4feet (120cm) の四角い箱を作って、そこを
1foot=30cmちょっとに区切る。それを1区画として、1区画に1種類ずつ野菜やらハーブやら、好きなものを植えていく。
あくまでこれは基本で、どんな大きさでもいいのだけれど。
やりたい!と思ったのは、デザインが美しいし、ど素人としては、このくらいの大きさからはじめてみるのがよさそうだったし、なにしろ、区切るってのが気に入った。
さっそくホームセンターで、板を買った。
その前に、2006年に新たに出版された,メルさんの”All New Square Gardening " をAmazonで買ったのだが、コロナのせいで、輸入本はなかなか到着せず。ずいぶんと待たされたけど、やっときた。本がなくても you tubeにアップしている人がかなりいて、できそうな気もしたけど、この幸せそうな笑顔の元祖メルさんの本を手元に置いてはじめたい。写真やイラスト盛りだくさんで、みているだけでもかなり楽しい。
ホームセンターでも板は切ってもらえるけど、夫が切るというので切ってもらった。
122cm ずつ。
本の中で、角をこうやって補強してたので、真似してみた。
たかが箱だけど、1人で、しかもど素人には、そんなに簡単でもない。
でもできた時には、たかが箱でも大変な達成感!
一気に3箱も作ってしまった。
あとで、メルさんの本を見ると、「まずは小さくはじめましょう!」と書いてあったが。
その日は、ここまでにして、次回は土を入れよう!
(つづく)
ストレスは悪いもの?「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」ケリー・マクゴニガル
ストレス、と聞くと誰もが悪いもの、最終的には健康を害するもの、と思って、避けたがるものだけれど、ストレスのない人生なんてありえない。でも、そもそもストレスは悪いもの、と思っていることが悪い、というところからスタート。
著者はスタンフォード大学の健康心理学者、ケリー・マクゴニガル博士。以前、TED Talkで見たとき、「なんて美しい人なんだろ〜、天は二物も与えるのね」と思ったけれど、二物どころか、何物も与えているんだ。広範囲の研究事例、多くの人のストーリー、ていねいな人間味あふれる温かい解説、とてもわかりやすい本。
印象に残ったところは以下。
▫️ ストレスが悪者にされたわけは、ハンガリーの内分泌学者、セリエの実験用ラット実験からはじまった。それを人間にもあてはめて、世界中の人に、ストレスは有害である、と思い込ませたこと。しかし実際には、ストレスには、有害なものもあるが、役立つものもあるのに。
▫️ ストレスは悪いと思うことによって、身体にも悪い反応が起こる。
▫️ ひとたび、「ストレスは役に立つ」というマインドセットを受けた人は、一度のマインドセットで、その後ずっとストレスに対する反応が変わり、うつになりにくく、人生に対する満足度が上がる。
▫️人はどうでもいいことにストレスは感じない。ストレスを感じる=自分の大切なものがおびやかされているときである。
▫️人生に生きがいを感じている人々は、あまり生きがいを感じていない人に比べて、心配事が多く、ストレスも多い。自分の役割に取り組み、目的意識をもって、チャレンジして生きれば、ストレスも避けられない。
▫️お母さんを自殺で亡くした人が、愛する人を偲びながら活動するボランティア団体を立ち上げ、活動している。人生が180度変わった。しかし「母をなくす前の自分より、今の自分のほうが好きですが、だからといって、母が生きていてくれたら、と思わないはずがありません。母の死がよいことだったとは思いません。そこに何らかの意味を見出すことができたのはよかった、ということです。」
▫️ 上記に対して、著者、マクゴ二ガルは言っている。
「この違いは非常に肝心であり、逆境によって強くなる、ということを理解する上で、もっとも重要なことのひとつ。苦しむことじたいによいことなどない。トラウマ体験がすべて、成長につながるとは限らない。苦しみによって、成長するとき、成長となる糧はあなた自身のなかにひそんでいる。それは、あなたの長所や、価値観、逆境のよい面を見つめようとするあなたの態度です」
本の中で、あなたの価値観を考えてみる、というのがあった。
病気、愛する人の死、災害、リストラ‥‥、人生でストレスを避けるのは不可能で、現実を否定しても意味がない。そのとき、自分が大切にしている価値観を思い出すことで、自分がストレスにどう反応するか、を選べるようなるそうだ。
3つ選びましょう、と書いてあったけれど、とても3つだけ選べなかった。
私が大事にしたいことは、
・信仰
・健康
・美しいもの、アート
・自然
・好奇心、チャレンジ、革新、変化
・ユーモア
・旅
かなと思った。価値観を心に止めることによって、ストレスが「自分の意思に反して、身に降りかかってくるもの」から「いちばん大切なことを再認識し、深く心に止める機会」へと変化するそうだ。
また、難易度の高いことにチャレンジするとき、あらかじめ、ストレス目標をたてる、といいそうだ。「わたしはストレスによって、どんなふうに成長したいんだろうか」
ストレスがまったくなさそうなところ、それは棺の中。
ストレスはなくならないけど、ストレスと成長、充実は切り離せない。そう考えると、もはやストレスはストレスではなくなるかも。
自分たちで建てた家に引っ越した
2016年の春ごろから父の畑に家を建てる計画が浮上した。
それから4年。今年2020年4月の終わりやっと引っ越した。
まだ完成はしていないのだけれど、基本的なところはできたので、ともかく引っ越した。
建築許可が難しい場所だったので、許可が降りるまでで2年かかった。みんなあそこは難しいから不可能だ、と言ってた。市役所に通いつめて聞きまくって、言われる通りに膨大な書類を揃えた。それから、夫がこつこつ建てた。大工さんには最初の骨組み、電気やさんに電気工事など免許が必要なところはもちろん頼んだけれど、8割がた夫が仕事の合間に建てた感じ。正直私もかなり半信半疑だった。
‥‥と話すと「うわあ、きっとこだわりの家なんでしょうね」とよく言われるのだけど、願いはひとつ「シンプル!」 願いというか予算の都合というか;)あと掃除のしやすさ第一もある。
特にDIY人間でもなかったけれど、必然でいろいろやることになった。私は壁塗り、天井張り、トイレの床貼り。あとはすべて夫。
今まだ網戸もなく、クーラーもなく、玄関はダンボールが敷いてあって、玄関ドアの下は10cmくらいの隙間があいてて、畑の中なので、私だけ(夫はもと野性児なので)虫におののく暑い暑い夜だけど、なんとか住めるものだ。
4年間すったもんだで自分たちで作ったので、出来の悪い子ほどかわいいじゃないけど、愛着が湧いた。今は雨が漏らず、夜寝れて、ご飯が食べられたらよしとする毎日です。これからまた作って行こう!
シェーカー教徒を知るための美しい本”シェーカー、生活と仕事のデザイン” ジューン・スプリッグ
30年近く前に出版された古典的な本ですが、シェーカーのことを知るには、まずこの本ではないでしょうか。シェーカー教徒の歴史、日々の生活、道具、祈りの精神、それらが息を飲むくらい美しい写真で紹介されています。著者はシェーカーと共に生活をしたことがあるジューン・スプリッグ女史、翻訳は日本でシェーカー家具をはじめてつくった知る人ぞしる藤門弘さんです。
シェーカー教団とは、19世紀、アメリカにおいて広まった宗教的共同体。1840年頃には、約6000人もの信徒が生活を共にしていました。有名なシェーカーの椅子にはじまり、簡素で美しく実用的な工芸作品は今でも世界中の人を惹きつけています。
ケンタッキー州に住んでいたとき、州内といっても遠かったけれど、プレザント・ヒルという場所にあるシェーカーヴィレッジに行ったことがあります。その整然とした区画の建物、内部、数々の家具、そしてシェーカーが心から好き、というのがわかるボランティアのガイドがあちこちにいて、心休まる場所でした。その上、現在は1人もいないシェーカー教徒の魂がまだそこにあるような気がして、私は戻ってからも1週間くらいうなされました。感動してうなされたのです。ずっとシェーカーシェーカーと言っていたので、夫は「シェーカーの魂が乗り移ったんじゃないか?」というほどでした。
シンメトリーの窓が美しい
なんでもかけてしまうペグボード。床にものをおかない=清潔
年月がたたないとこの木の色はなかなかでないですね
日本の日常にまみれてしばらく遠ざかっていたシェーカーの暮らしですが、この本を読んで、またものすごい熱が蘇ってきました。
シェーカーに惹かれるのは
#シェーカーは電気、電話、写真などすすんで技術文明を取り入れた
#重たい家具には車輪をつけて移動できるようにし掃除しやすくした
#「規則正しいことは美しい」シンメトリーの美しさ、色の統一。
#「天国に塵はない」創設者アン・リーの言葉
#ビルトイン家具が好まれた(すっきり)
#「ものは決まった場所におくように」個人所有でなく共用の生活に必要な秩序だった
#「美は有用性に宿る」
#「言葉と仕事は簡素であること」
そしてこの本を読んで知ったのですが、「シェーカーは死というものにも生と同様、統一性と簡素さをもたせた。」
シェーカーの墓は墓石や、墓碑、花入れなどがなく、墓標には信者の名前、死んだ日と年齢で十分と考えられていたそうです。
のちにはさらに簡略化。
共同体の本質を象徴するために、個々の墓石をひとつの大きな記念碑に取り替え、そこに「Shakers 」とだけ記したそうです。Shakerとして生きたことがその人の本質だったということなんですね。それでよしとできる人生なんていさぎよい。
この世はシェーカーとして生きて十分。そして天国では永遠にシェーカーとして。
いつか今度はマサチューセッツやニューハンプシャーのシェーカービレッジも訪れてみたいです。
ペイントに夢中、こんなに楽しいことがあったとは。
2年ほど前から夫が自分で家を作っています。
というと、「別荘かなにか?」「そういう仕事していたの?」と必ず聞かれるのですが、そうではなく、自分たちが住む小さな家で、その上、夫の仕事はまったく関係なし。趣味がDIY だったわけでもない。でもなぜかできて、外は完成、やっと内部に取り組んでいます。(屋根、電気など専門的なところはプロにお願いしました)
私は中の壁は壁紙でなく、米国やイタリアで見たようなペイントにしたかったので、これまた私もど素人ながら、ペイントしています。思いだけは熱く、はじめてのペイントながら、いきなりイギリスの老舗、Farrow&Ball のペイントで。なぜなら、その繊細な自然色の美しさ、マットな質感にすっかり魅せられてしまったのです。
Farrow & Ballはイギリスのナショナルトラストの修復にも使われるような伝統あるペイントの会社で、厳しいEUの環境基準をクリアした最高品質の顔料です。
システムキッチンもいらない、
すべてとにかくシンプルに、という家なのですが、ペイントだけはこだわりたい、そこだけは(やったことないけど)まかせて!と私。
カラーワークスさんのペイントレッスンに参加はしたものの、実際やりはじめて、これでいいんかい?とわからないことも多かったのですが、なんとか半分近く終わりつつあります。やってみていろいろわかったことがありました。
*下地がすべてだ!ということ
うちはなにしろ手作りなので、壁は石膏ボード、あちこちに凸凹があり、埋めたとはいえ、かなりでこぼこ。これには大変苦労しました。世の中の家が、壁紙を貼る理由が、痛いほどわかりました。すべて隠れるに違いない。
*とはいうものの、自分ちなんだから、そんなに神経質になる必要もないかも。
誰が気にする??塗った自分しか、そのでこぼこ気にしない。(夫はまーーったく気にしない)
*光によって、なんとペイントの色は変わるのか
はじめてなので、あまり冒険せず、ほとんどは白い壁、しかし、一面だけ薄いグリーンにしました。陽がたくさん入るリビングだと、白とあまり変わらなかったなあ!もっと濃くしてもよかったかな?と思ったのですが、ちょっと暗めのベッドルームの一面は、同じ色なのに、シックなグリーンに見えるのです。
*どれくらいつけてやるのが正解なのかいまひとつ不明
You tubeでペイントやっている人みると、一度塗りの時点からかなり多めにペイントつけている。私はなんだかけちって、薄め薄めに塗っていたのですが、そのせいで、腱鞘炎になりかけているので、きっとしっかりつけて、力を入れないで塗る、というのが、王道のようです。でもペイント消費量多そう、いや、薄くなんどもやるほうがかえって消費するのか?プロに聞いてみたい。
*こんなに楽しいことはない!しあわせな時間なこと
しーんとした部屋の中で、まっさらな壁にひたすらペイントする。
1回目はなんだかまだら。2回目になると急激にぴたっときれいになり、気分爽快。
1番の快感は、マスキングテープを外す時。塗り終わって生まれ変わった壁を眺めるとき。その変貌ぶりは本当に達成感がありその夜の心地よい疲れ。満足の眠り。
世の中のすべての人に勧めたい。
ペイントはこんなに楽しいものだったんだ!と。
そして難しくないのです。
まだ半分残っていますが、がんばります!
終わってしまうことを考えると寂しくなるくらいです。
#まいにちしあわせになる方法53・ペイントする!
↓1回目。たぶんもっと塗ったほうがいのかなあ?
Farrow & Ball 5L
↓Farrow &Ballの美しい色を見たい方はぜひ!
Happy Valentine's Day !
バレンタインは大切な人と一緒にいられることを
喜ぶ日かな、と思います。今年はココアのブラウニーを作りました。
いつまでもずっと一緒に!
#まいにちしあわせになる方法52 ・バレンタインを大切な人と一緒に過ごす
根津美術館に行く
表参道にある別世界へ
根津美術館に行ってきました。
東武電鉄社長などを務めた実業家の根津嘉一朗氏が収集した東洋、日本のコレクションを公開している美術館。表参道の駅からわずか8分歩いただけなのに,静寂の別世界の日本庭園があり、心が落ち着きます。
現在の企画展は、2月11日まで。対(つい)で見る絵画展でした。
企画展で一番心打たれたのは「三夕の和歌」に絵をつけた作品。三夕の和歌、というのは、新古今和歌集の中で、「秋の夕暮れ」で終わる3首の歌だそう。寂蓮法師、西行、藤原定家の「秋の夕暮れ」で終わる歌に、それぞれ絵がつけられているのです。
寂しさはその色としもなかりけり 槙立つ山の秋の夕暮れ 寂蓮法師
(このさびしさはどこから来るというものでもないのだ。真木(まき)の生えている山の秋の夕暮れよ。)
心なき身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ 西行法師
(あわれなど理解するすべもない私にも、今はそれがよくわかるのだ。鴫(しぎ)が飛び立つ沢の秋の夕暮れよ。)
見渡せば花も紅葉のなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ 藤原定家
(見わたすと、花も紅葉もここにはない。海辺の仮小屋に訪れる秋の夕暮れよ)
(このサイトを参考にさせていただきました)
https://honda-n2.com/kobun-waka-sansekinouta
秋の夕暮れに、そこはかとなく物哀しくなる気持ちはいつの時代も同じ。1200年頃の和歌を詠んで、その世界を江戸時代の人が絵にしてそれを今見て、その世界に入り込めるなんて貴重です。
庭園を歩く
よく手入れされた日本庭園は鳥の声と水の音が。
とてもアクセスのいい場所にある静かな美術館。春になったら桜のころ、秋は紅葉のころにまた行きたい美術館です。
#まいにちしあわせになる方法 51・美術館に行く
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根津美術館HP