この楽しき日々・ローラ・インガルス・ワイルダー/ These Happy Golden Years・Laura Ingalls Wilder
アメリカの作家、
ローラ・インガルス・ワイルダーの本を読む会に参加していて、
今は、「この楽しき日々」を読んでいます。
この本は、15歳のローラが、
はじめて家を離れ、下宿しながら、
はじめて教師として、小学校で教える様子、
そして、毎週、極寒の雪の中、
居心地の悪い下宿先から、
家族の待つまで家まで迎えにきてくれた、
青年アルマンゾとのそりのドライブ、
そして、彼との結婚までの物語が描かれています。
たった15歳で、何の教育実習もなし!
しかも教える子供達は、自分より年上の子もいて、
ローラが初日、学校まで雪の中を歩きながら、
1人で自分自身に言う通り
”Here I am,
I dread to go on,
and I would not go back.
I've got to go on "
「わたし、とうとうここまで来ちゃった。
前に進むのは恐いけど、後ろになんて戻れるものか。
わたしはどうしても前進しなければならないんだわ。」
ローラ・インガルス・ワイルダー「この楽しき日々」鈴木哲子・訳
という状況だったのでした。
しかも下宿先の奥さんは、
たぶん半分鬱状態だったのかもしれません。
毎日不機嫌で、ほとんど口もきかず、
夜、ローラに聞こえるように、悪意のある言葉で
だんなさんとけんかをするのでした。
こどもの頃は、「嫌な人」と「ローラの試練」で終わらせてたけど、
今読めば、
「まあ鬱にもなるわな」です。
開拓小屋は、
隙間だらけの掘建小屋で、
寒い寒い雪の中で、冬の間は、ずっと家の中、
何の娯楽もなく、毎日食べるのは、塩漬け豚と、じゃがいも、
しゃべる相手もだんなさんのみ。
おまけにむずがる小さな赤ちゃんが1人。
学校に使う建物は、
この状況にがまんできなくなってしまった男性が
東部に逃げ帰ってしまって、
その空き家を使うのです。
つまり、耐えられなかった人も
たくさんいたことでしょう。
でも、それに耐えれば土地は自分のもの。
「大変よねえ」
‥‥と、
合間に、お菓子とお茶で休憩しながら、
みんなで読み進める
現代の私たちなのでした。
ガース・ウィリアムの挿絵のおかげで、
学校の様子や、生徒の様子もありありと想像できて、
ちょっと難しい単語がでてきても、
楽しく読み進められるのでした。
来月の読書会もまた楽しみです。