澤田美喜が過ごした旧岩崎邸、湯島
エリザベスサンダースホームの創設者、澤田美喜さんの本、「GHQと戦った女」を読んで、彼女が結婚するまでを過ごした岩崎邸に行ってみたくなりました。
千代田線湯島から歩いて3分ほどのところにあります。
現在大規模な工事中で,足場が組まれていますが、2019年の12月には終わるようです。澤田さんのお父さんで、岩崎彌太郎の長男、岩崎久彌氏の本邸として明治29年(1896年)にジョサイア・コンドルの設計で完成しました。
ずいぶん昔に一度来たことがあったのですが、今回本を読んだあとは、ずいぶん感じるものが違いました。桁外れのお金のかかった豪邸ですが、和洋折衷でとても趣味がよく、すべてが最高品の本物の中で、生まれたときから生活するというのは、人間形成にずいぶん影響するのではないでしょうか。
またこの豪邸の生活なのに、岩崎家の子供達は、上から順にお古を着せられてとても質素に暮らしていたことが本に書かれてあったので、その家訓も改めてなかなかできることではないと思いました。
それなのに、敗戦後、GHQにこの家を接収され、昼間から我が物顔で女郎部屋のような秩序ない生活になってしまい、耐えきれず出ていった岩崎久彌氏。自分が幼いころ過ごした家がそんな風に踏みにじられたことは、澤田美喜さんにとっても大変屈辱であったことと思います。
代々築いて守ってきた莫大な富や財産も一夜にして無くなるという経験は、人生で捧げなければならないものは何かを自身に問わせたのではないでしょうか。
内部
金唐革氏という貴重な壁紙。その工程も丁寧に説明されていて気の遠くなるような作業です。
それが部屋いっぱいに。
家族が暮らしたのは和館。
現在は、周りには高層マンションが立ち並び、当時の1/3の規模だけが残ります。
往時は1万5000坪の敷地に、20棟の建物があったそう。想像がつきません!
本を読んで、その場所にいってみるのは本当に楽しい経験です。
中にカフェがありましたが、欲をいえば、どこかに本のコーナーを作って、「GHQと戦った女、澤田美喜」の本や、岩崎家の本や、当時の歴史の本を集めて置いてくれたら、もっと面白いのになあ。頼んでみようかな。まあそんな場所の余裕はなさそうでしたが。
修復が終わったら、またぜひ行きたいです。
また今年は修復が間に合いませんが、来年は紅葉のころに行ってみたくなりました。
まいにちしあわせに生きる方法#40 東京の歴史を散歩する
*********************************************
旧岩崎邸HP
様々なワークショップやイベントをやっているようです。
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index035.html