羊のまいにちしあわせになる方法100

羊、こと羊子がまいにちしあわせになる小さな方法をためし中.100個お試し中。

アンダーグラウンド

 

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今日、オウムの幹部への判決が実行されて、

ずっと前に読んだ

村上春樹アンダーグラウンドのことを思いだしました。

 

地下鉄サリン事件の被害者の方、62人ひとりひとりに丹念にインタビューをし、

被害者何人、ではなく、

当たり前なのだけど、

ひとりひとりに人生があったことを浮かび上がらせてくれた

秀逸な本でした。

 

読んでいて、はじめて朝がきてしまった本でした。

読み出したら、止まらなかった。

 

よく覚えているのは、

地下鉄で、犯行を実行しようとする林容疑者のそばに、

妊婦さんがいて、

まさにサリンの包みを傘の先でつき刺そうとする彼は、

その妊婦さんに、「どうか降りてくれ」と心の中で、祈っていた

ところでした。

 

私は、あの年代の人たちにあった

偏差値がすべての教育と、

勉強し、いわゆる、いい会社や職場に就職できたとしても、

働き出したら、単なる歯車のひとつになって、くるくる回るしかない

日本の働き方も、ああいう人たちを生み出して、

オウムへ吸収されていく土壌を作っていたひとつなのでは、と

思うのだけれど。

 

現世の虚しさ、が

ユートピアに見えたオウムへ惹きつけられたのではないでしょうか。

(もちろんそんな単純な構図ではないとは思いますが、

たくさんの理由のひとつとして)

 

失われた人たちは戻ってきません。

 

家族の方は、刑の実行で心が晴れるわけもなく、

ただ深い悲しみ、そしてくやしさを心の底に、

ただただ深く沈めて、これからの人生を

ずっと生きていかれるのではないでしょうか。

 

そして、今も、

マイペースで生きられなかったり、

見えない同調圧力に息苦しさを感じたり、

もっと純粋な何かを求めてしたりした人が、

ふとした時に、オウム的な集団に引き寄せられることは

あるような気がします。

 

違う吸収場所はどう見つけられるのか?

 

私ももっと人とそういうことを

話していこうと思いました。